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映画『望み』感想とあらすじ|どんな結末になっても不幸だった

2021年5月6日

望み_映画_結末

概要・キャスト

公開日:2020年10月9日
原作:雫井脩介「望み」
監督:堤幸彦
主題歌:森山直太朗「落日」
キャスト:堤真一・石田ゆり子・岡田健史・清原果耶・松田翔太・竜雷太・市毛良枝

あらすじ

一級建築士の石川一登(堤真一)は、自分が建てた立派な一軒家に、妻の貴代美(石田ゆり子)と娘の雅(清原果耶)と息子の規士(岡田健史)の4人家族で何不自由ない幸せな暮らしをしています。

高校生の規士は、サッカーで膝を怪我して部活を辞め、無断外泊が増えるようになっていました。そんな冬休みのある日、規士は家を出て行ったきり帰って来なくなります。

家族は心配しますが、規士とは連絡が取れなくなり、テレビで高校生が殺害されたというニュースが流れ、規士が殺人犯なのではないかと世間が騒ぎ始めます。

感想

■ どっちに転んでも不幸

行方不明になった息子が殺人事件に関わっているのは明らかで、息子が加害者でも被害者でも、家族にとって不幸な結果になるということに変わりはないなと最初から分かっていたので、見ていて辛かった。

まあでも、実は息子は事件とは何の関係もなくて家に戻ってきたよハッピーエンドチャンチャン♪という結末だったら、映画としてどうなの?って気分になったからこの結末で正解かな。

■ 家族3人の気持ち

息子が殺人事件に関わっていると知った3人の家族が、それぞれの「望み」を抱くのですが、その3人の感情が三者三様で興味深い。

【父親】息子は加害者ではないと信じる。もし被害者だったら亡くなっている可能性あるけど仕方なし。

【母親】加害者でもいいから生きていて欲しい。加害者だったら殺人犯の家族になるけどそれでもいい。

【妹】加害者として帰ってきて欲しくない。殺人犯の家族になるくらいなら兄は死んでいた方がマシ。

こんな感じで3人それぞれ。同じ親でも父親と母親とでは全く違う思いだったのが印象的。母親の感情的な思いと、父親の理論的な考え。女性脳と男性脳の違いを感じる。

■ 自分が家族だったら

もし自分が親で、子供が同じような状況になったら、父親のような冷静さは保てないだろうな。おそらく母親のような冷静さに欠けた感情的な行動に出てしまうと思う。

でも、自分の今後を心配する娘に対して、母親の発言は酷い。「今後どうなるか分からないから覚悟しておきなさい。自分の道も考えておきなさい」って...。まさかの連帯責任強要。兄の犯罪に、妹は本当に関係ない。妹は被害者。妹の今後を考えるのは、親の務めだと思うけど。

■ マスコミは胸糞

最近はマスコミの最低な行動が描かれる映画が多いけど、この映画でも、マスコミの胸糞行動が描かれていた。殺人犯の可能性があるというだけでマスコミが家族の家に押しかけるシーンは本当に胸糞悪い。

それが仕事だとしても心ないマスコミの発言は心底胸糞悪い。映画「空白」でも同じようなマスコミの胸糞行動が描かれていた。

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というわけで、映画『望み』は、 です。

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