概要・キャスト
公開日:2018年11月16日
原作:東野圭吾「人魚の眠る家」
監督:堤幸彦
脚本:篠崎絵里子
主題歌:絢香「あいことば」
キャスト:篠原涼子・西島秀俊・稲垣来泉・斎藤汰鷹・坂口健太郎・川栄李奈・山口紗弥加・松坂慶子・田中哲司
あらすじ
ある日、薫子の母親の千鶴子(松坂慶子)が子供達をプールに連れて行ってくれますが、そこで長女の瑞穂(稲垣来泉)がプールで溺れてしまいます。
直ぐに薫子と夫の和昌(西島秀俊)が病院に駆けつけますが、医師から瑞穂は脳死状態にあり二度と目を覚ますことはないと伝えられます。
瑞穂の臓器を提供することを考えていた薫子でしたが、瑞穂の手が少し動いたのを感じた薫子は一転して、自宅で脳死した瑞穂を介護しながら共に生きていくことを決断します。
感想・評価
総合点 | ★★★★☆ | ストーリー | ★★★★☆ |
キャスト | ★★★★★ | 演技 | ★★★★★ |
胸キュン | ☆☆☆☆☆ | 笑い | ☆☆☆☆☆ |
音楽 | ★★★★★ | 感動 | ☆☆☆☆☆ |
■悲しい物語
「感動した」という声が多いけど、悲しい物語でした。微笑ましかったのは、最初の数分だけ。直ぐに子供が事故に遭ってしまい暗い雰囲気になった。でも、最後はなんとかハッピーエンドだったので後味悪くなくてよかったです。感動ポイントは見つからなかった。
■諦められない気持ちは分かる
脳死=死なのか?ということを考えさせられる映画で、大事な人が脳死と判断されても、いつか奇跡が起きて身体が動くかもと思うと、まだ諦められない気持ちはすごく分かります。
第3者から見ると、生きていないと言われても仕方がないし、脳死している子供を生きているかのように皆んなで扱うシーンは奇妙で不気味でした。でも、当事者側からすれば、話ができなくても動かなくても存在さえしていてくれればいいのです。自分の大事な人、特に自分の子供が脳死したとしたら、誰しも薫子(篠原涼子)のようになってしまうのではないのでしょうか。
■おばあちゃんが1番可哀想
1番可哀想だなと思ったのが、脳死してしまった子のおばあちゃん。自分がきちんと孫を監視していたら事故は起きなかったと思うと、こんな後悔はないと思う。どう償っていいのか分からない。孫を車で轢いてしまったというニュースがたまにあるけど、本当に心が痛む。
脳死している娘の体を人工的に動かす母親を見て、周りの人間たちは狂気だと感じるが、実は母親は冷静に現実を見ていたのです。それが証拠に、「脳死の子供を殺したら自分は殺人犯になるのか?」と訴え、娘が生きていたという証をもらうために娘を包丁で刺して殺そうとする。確かにそうだなと納得してしまった。
■篠原涼子の演技
母親役の篠原涼子が熱演していました。血走った目が凄い。ダウンタウンのごっつええ感じに出ていたおバカな涼子とは別人ですよ。
というわけで、人魚の眠る家は、脳死した子供の死を受け入れられない母親の葛藤の物語です。